コーチングテーマの決め方完全ガイド!具体例30選と選び方のコツ

コーチングセッションで「何を話したらいいのかわからない」「どんなテーマを選べばいいか迷う」と感じていませんか?
この記事では、コーチングテーマの基本的な考え方から具体的な選び方まで、実例を交えて詳しく解説します。記事を読み終える頃には、自分にぴったりのテーマを見つけて、充実したコーチングセッションを体験できるようになりますよ。
コーチとして多くのセッションを重ねてきた経験をもとに、初心者の方でもすぐに実践できる内容をまとめました。ぜひ参考にしてくださいね。
コーチングテーマとは?基本的な概念を理解しよう
コーチングセッションを有効活用するためには、まずテーマ設定の重要性を理解することが大切です。
テーマがあることで、限られた時間の中で集中して対話ができ、具体的な気づきや行動につながりやすくなるんです。
コーチングテーマの定義と役割
コーチングテーマとは、セッション中に集中して扱う話題や課題のことです。60〜90分というセッション時間の中で、一緒に探求していく中心的な内容を指します。
テーマがあることで得られるメリットは主に3つあります。まず対話の方向性が明確になること、次に深く掘り下げて考える時間が確保できること、そして具体的な行動や気づきにつながりやすくなることです。
例えば「転職しようか迷っている」「チームのみんなともっと上手くやりたい」「仕事と家庭の両立で疲れている」といったものがテーマの具体例です。

テーマ設定って最初は難しそうに感じますが、実は「今、一番気になっていること」から始めればいいんです。完璧である必要はありませんよ。
テーマ設定がコーチングの効果を左右する理由
テーマがあることで、セッションの集中度と満足度が大きく変わります。明確なテーマがあると、対話が散漫になることを防げるからです。
逆にテーマがない場合、あれもこれもと話題が次々に変わってしまい、どの話題も表面的な対話で終わってしまうリスクがあります。
また、テーマがあることでコーチもクライアントも同じ方向を向いて一緒に探求できます。お互いが何について対話しているのか明確なので、より深い質問や気づきが生まれやすくなるんです。
さらに、セッション後に振り返りをする際も「今日は○○について対話した」と具体的に整理できるため、学びや気づきを日常生活に活かしやすくなります。
このように、テーマ設定はセッション全体の質を高める重要な要素なのです。次は、実際にテーマを選ぶときの基本的な考え方を見ていきましょう。
コーチングテーマを選ぶ際の基本的な考え方
テーマ選びには、いくつかの基本的な考え方があります。この考え方を知っておくと、自分にとって価値のあるテーマを見つけやすくなりますよ。
緊急ではないが重要なこと(第二領域)を意識する
コーチングテーマとして特に効果的なのは、第二領域(重要だが緊急でない)に属するものです。まずは第二領域とは何かをご説明しますね。
私たちの日常の出来事は、「重要度」と「緊急度」の2つの軸で4つの領域に分けることができます。
緊急 | 緊急でない | |
重要 | 第一領域 (危機対応・締切のある重要業務) | 第二領域 (計画・準備・人間関係・自己投資) |
重要でない | 第三領域 (急な電話・無駄な会議) | 第四領域 (暇つぶし・ネットサーフィン) |
この中でも第二領域が最も人生の質を向上させると言われています。なぜなら、緊急性がないために普段は後回しにしがちですが、実は将来の成功や幸福感に直結する活動だからです。
第二領域のテーマ例をいくつか挙げてみると、こんなものがあります。
- 将来のキャリアについて考えたい:5年後、10年後の働き方
- 人間関係をもっと良くしたい:職場や家庭での関わり方
- 新しいスキルを身につけたい:成長につながる学び方
- 生活習慣を見直したい:運動や食事、睡眠の改善
- お金の管理について考えたい:将来に向けた資金計画
これらは「今すぐ解決しないと困る」という性質ではありませんが、じっくり考えることで大きな変化や成長につながるテーマです。コーチングの時間を使って、普段なかなか向き合えない第二領域のことを対話することで、充実感のあるセッションになりやすいんです。
ただし、状況によっては緊急度の高いテーマを扱うこともあります。「来週のプレゼンをどう乗り切るか」「明日の面談での伝え方」など、差し迫った課題について対話することで、具体的な解決策や心の整理ができることもあるからです。

普段忙しくて考える時間がない「大切だけれど後回しにしていること」が、実は一番コーチングに適したテーマなんです。
テーマの大小や正しさに囚われない
テーマ選びでよくある悩みが「このテーマは小さすぎるのでは?」「もっと重要なことを話すべきでは?」といった心配です。でも、テーマに大きい小さいはありません。
あなたが「気になっている」「考えてみたい」と感じることであれば、それは立派なコーチングテーマになります。他の人から見たら些細なことでも、あなたにとって意味があるなら、それが最適なテーマなのです。
例えば「朝の時間の使い方を見直したい」「会議での発言の仕方を考えたい」「読書習慣をつけたい」といったテーマでも大丈夫です。
むしろ、身近で具体的なテーマの方が、セッション後に実際に行動に移しやすく、変化を実感しやすいというメリットがあります。
また「正しい答え」を求める必要もありません。コーチングでは、あなた自身が納得できる答えや方向性を一緒に見つけていくことが大切です。最初から完璧なテーマを設定しようと思わず、気軽に始めてみましょう。
テーマ選びの2つの基本
- 第二領域を意識:重要だが緊急でないことを中心に
- 大小にこだわらない:あなたが気になることが最適なテーマ
基本的な考え方がわかったところで、次は具体的なテーマ例をジャンル別に見ていきましょう。
ジャンル別コーチングテーマ例|実際の設定例を紹介
ここからは、コーチングでよく扱われるテーマを具体的にご紹介します。あなたの状況や関心に近いものを参考にしてみてくださいね。
仕事・キャリア関連のテーマ例
仕事・キャリア分野は、コーチングで最も人気の高いジャンルです。働き方や職業人生に関する悩みは、多くの人が抱えているテーマですね。
具体的なテーマ例をいくつか挙げてみましょう。
- 転職しようか迷っている:いつ頃がいいのか、どんな会社がいいのか
- もう少し昇進したい:どうしたらステップアップできるか
- 新しいことを覚えたい:何から始めるか、どう時間を作るか
- チームをまとめるのが苦手:メンバーと上手く関わる方法
- 仕事と家庭の両立で疲れる:バランスよく過ごす方法
- 会議でなかなか発言できない:自分の意見を伝えるコツ
- 副業や独立が気になる:本当に向いているのか考えたい
- 後輩の指導で悩んでいる:どう接したらお互い成長できるか
年代別に見ると、20代は「キャリアの方向性」、30代は「専門性の深化と昇進」、40代以降は「リーダーシップと後進育成」といったテーマが多い傾向があります。
どのテーマも、1回のセッションで結論が出ない場合もありますが、対話を通じて自分の考えを整理し、次の行動を明確にする方が多いです。
人間関係・コミュニケーションのテーマ例
人間関係やコミュニケーションのテーマは、職場でもプライベートでも多くの人が関心を持つ分野です。関係性の質が向上すると、仕事もプライベートも充実度が高まります。
職場の人間関係では、次のようなテーマがよく挙がります。
- 上司とうまくいかない:どう接したらお互い気持ちよく働けるか
- 部下との関係で悩んでいる:信頼してもらえる関わり方
- 同僚ともっと連携したい:チームワークを良くする方法
- 苦手な人がいる:ストレスを感じずに付き合う方法
- 会議で意見を言うのが苦手:自分の考えをうまく伝えるには
プライベートな関係では、このようなテーマも扱えます。
- パートナーとの関係で気になることがある:もっと良い関係にするには
- 親との距離感で悩んでいる:お互いが心地よい関係性
- 友人関係を見直したい:大切にしたい人との時間の作り方
コミュニケーション全般については「相手の気持ちを考えた話し方」「感情的にならずに話すコツ」「建設的な話し合いの進め方」といった内容もあります。
健康・ライフスタイルのテーマ例
健康やライフスタイルに関するテーマは、近年特に注目度が高まっている分野です。ウェルビーイング(心身の健康と幸福感)への関心の高まりと連動していますね。
健康管理に関するテーマの例です。
- 運動を習慣にしたい:続けられそうな運動の見つけ方
- 食生活を見直したい:忙しくても続けられる健康的な食事
- よく眠れるようになりたい:ぐっすり眠るための環境づくり
- ストレスとうまく付き合いたい:日頃の疲れやイライラへの対処法
ライフスタイル全般では、次のようなテーマが人気です。
- 時間の使い方を上手になりたい:やりたいことに時間を使う方法
- 趣味の時間がほしい:忙しい中でも楽しむ時間の作り方
- 家事と仕事の両立で疲れる:無理のないバランスの取り方
- リフレッシュ方法を見つけたい:自分に合った疲れの取り方
これらのテーマは「やらなければ」という義務感ではなく「より充実した生活を送るために」という前向きな視点で取り組むのがポイントです。

健康やライフスタイルのテーマは、小さな変化から始めることが成功のコツです。完璧を目指さず、今より少し良くなることを大切にしてくださいね。
人生・価値観に関するテーマ例
人生や価値観に関するテーマは、他の分野と比べて抽象度は高めですが、最も深い変化や気づきをもたらすテーマです。自分自身と向き合う時間としても価値があります。
人生の方向性に関するテーマの例をご紹介します。
- 将来どうなりたいか考えたい:5年後、10年後の理想の自分
- 自分が大切にしたいことを整理したい:価値観や優先順位の見直し
- 人生の節目で迷っている:大きな変化や選択を前にした心の整理
- やりがいのある仕事や生き方を見つけたい:自分らしい道の探し方
ライフステージ別のテーマもあります。30代なら「結婚・子育てと仕事の両立」、40代なら「これからの生き方を考え直したい」、50代以降なら「残りの人生をどう過ごすか」といった内容です。
価値観に関するテーマでは「お金と幸せの関係」「成功って何だろう」「家族との時間の大切さ」「社会の役に立ちたい気持ち」なども深く考えられる内容です。
これらのテーマは答えが一つに決まるものではありませんが、対話を通じて自分自身への理解が深まり、納得感のある選択ができるようになります。
セッションでよく扱うテーマ
- 仕事・キャリア:転職、昇進、スキルアップ等
- 人間関係:職場、家庭、コミュニケーション改善
- ライフスタイル:健康、時間管理、ワークライフバランス
- 人生・価値観:目標設定、価値観の整理、人生設計
豊富な具体例をご紹介しましたが、実際にテーマを設定する際に気をつけたいポイントもあります。次のセクションで詳しく見ていきましょう。
コーチングテーマ設定時の注意ポイント
テーマ設定でよくある間違いや不安を解消して、より効果的なセッションにするための注意ポイントをお伝えします。
クライアント自身がテーマを決めることが大事
コーチングの基本原則の一つは、クライアント自身が主体的にテーマを決めることです。コーチとクライアントは対等な関係であり、コーチが一方的にテーマを決めることはありません。
なぜクライアント自身が決めるべきかというと、自己決定することでテーマに対する当事者意識と責任感が生まれるからです。また、自分で選んだテーマの方が、より深く向き合うことができます。
もちろんコーチが「こんな視点もありますが、どうでしょうか?」と選択肢を提案することはあります。ただし、最終的な決定は常にあなた自身が行います。
主体性を保つコツは、「今、一番気になっていること」「考えてみたいこと」から素直に選ぶことです。他人の期待や「こうあるべき」という思い込みに振り回されず、あなたの関心に従ってテーマを選んでくださいね。
テーマはセッション中に変更できる
「最初に決めたテーマを最後まで話さなければいけない」と思い込んでいる方がいますが、テーマの変更は全く問題ありません。むしろ、セッション中の気づきによって話したいことが変わるのは自然なことです。
例えば「転職について」というテーマで始めたものの、対話しているうちに「実は今の職場での人間関係が課題だった」と気づき、テーマを変更するケースもよくあります。
テーマ変更のタイミングで多いのは、セッション開始から15〜20分経過した頃です。対話を通じて、より根本的な課題や関心が見えてくることがあるためです。
変更する際は「実は、○○の方がもっと気になってきました」「今日は△△について話してみたいです」と素直に伝えれば大丈夫です。コーチはそれを歓迎し、新しいテーマで一緒に探求をサポートしてくれます。

テーマの変更は「失敗」ではなく「より大切なことに気づけた」という成果なんです。遠慮せずに、その時々の関心に従ってくださいね。
テーマ設定に真剣になりすぎてストレスにしない
「完璧なテーマを設定しなければ」「深刻な悩みでなければいけない」と考えて、テーマ設定自体がストレスになってしまう方もいます。でも、そんなに構える必要はありません。
コーチングでは完璧である必要はないのです。むしろ「なんとなく気になる」「ちょっと考えてみたい」という軽い気持ちから始めた方が、リラックスして対話ができます。
テーマ設定も学習プロセスの一部です。最初はうまく設定できなくても、回数を重ねるうちに「自分にとって価値のあるテーマ」がわかるようになります。
「今日は何を話そうかな」くらいの気軽さで、まずは始めてみることが大切です。
よくある間違いとその対策
- コーチにテーマを決めてもらおうとする → 自分の関心に従って選ぶ
- 一度決めたテーマを変更してはいけないと思う → 柔軟に変更してOK
- 重要で深刻なテーマでないといけないと思う → 軽い気持ちで選んでよい
注意ポイントを理解したところで、実際のセッションではどのような流れでテーマを設定するのかを見ていきましょう。
実際のセッションでのテーマ設定の進み方
実際のコーチングセッションで、どのような流れでテーマが決まるのかを具体的にご紹介します。あくまで私のセッション例として取り上げます。
これを知っておくと、初めてのセッションでも安心して参加できますよ。
気になりごとを出し切る
私のセッションでは、まず今気になっていることを全て出してもらうところから始まります。
コーチから「最近、気になっていることはありますか?」「今日話してみたいことはありますか?」といった質問があります。この時、思いついたことを順序や重要度を気にせずに話してみてください。
「仕事のプレゼンがうまくいかない」「部下とのコミュニケーションで悩んでいる」「転職を考えているが踏み切れない」「最近疲れやすい」など、大小関係なく気になることを話しましょう。このときは詳しい内容は説明しなくて大丈夫。トピックを羅列するようなイメージでお話ししてみてください。
すべて出し切ることで、頭の中がスッキリし、何について話したいかが見えやすくなります。

「こんなことを話してもいいのかな」と遠慮する必要はありません。どんなことでも、あなたが気になっているなら価値のある話題です。
その日話すテーマを1つに決める
複数の気になることが出てきたら、その中から今日のセッションで集中的に扱うテーマを1つ選びます。なぜ1つに絞るかというと、限られた時間で深く掘り下げるためです。
「この中で、今日一番話してみたいのはどれですか?」「今日はどのテーマでお話ししますか?」といった質問をコーチからします。
この時、「正解」を選ぼうとする必要はありません。その瞬間にあなたが一番関心を感じるものを選べば大丈夫です。直感的に「これについて話してみたい」と思うものを選びましょう。
選ばれなかった他のテーマも次回以降に取り上げたり、今回の対話の中で関連して出てきたり。決して無駄になるわけではありません。
テーマが決まったら「今日は○○について一緒に考えていきましょう」とセッションの方向性が確定し、いよいよ本格的な探求が始まります。
テーマ設定の実際の流れ
- STEP1:気になることを全て出し切る
- STEP2:その中から1つのテーマを選択する
- STEP3:選んだテーマで深い探求を開始する
実際のセッションの流れがイメージできたでしょうか。最後に、この記事の内容をまとめてみますね。
まとめ
この記事のポイントをまとめると以下の通りです。
- コーチングテーマはセッションの効果を左右する重要な要素で、明確なテーマがあることで集中した話し合いができます
- 第二領域(重要だが緊急でない)を意識したテーマ選びが効果的で、人生の質向上につながりやすくなります
- テーマの大小や正しさにとらわれず、自由に選んでよいものであり、あなたが気になることが最適なテーマです
- クライアント自身がテーマを決めることが基本原則で、主体性を持って取り組むことが重要です
- 実際のセッションでは気になることを出し切ってから1つに絞る流れで、柔軟にテーマ変更も可能です
テーマ設定は最初は迷うかもしれませんが、実際にやってみることで慣れていきます。「今、一番気になっていること」から気軽に始めてみてください。
コーチングでは、あなた自身の関心や課題に真摯に向き合い、一緒に答えを見つけていくプロセスを大切にしています。まずはコーチングがどんなものか体験してみることから始めてみてくださいね。